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アダチ版画研究所で見学&志むら [★和の催し]

■アダチ版画研究所

●HP・・・https://www.adachi-hanga.com/

二回目の実演見学会に訪問です。 実演作品は歌川広重の【椿に鷽】。
入門して四年ぐらいの女性が刷りを担当します。

アダチ所長が解説、前回は版画が滅びるのも時代の趨勢と仰ってましたが、今回は「この研究所が無くなっても版画は残る」と前向きな発言。
もしかしたら受注が上向きになっているのでしょうか。ご健在で何よりです。

〈解説要点〉
・7、8回すらないと顔料と同じように発色しない。
・紙は刷る前に湿らしておく。ちょうどよく湿らしておく加減を掴むには三年かかる。
・刷る色の順番に決まりはない。
・版木を固定する布や雑巾は「やわら」と呼ぶ。
・江戸時代の初刷りはいい紙を使うが、人気作品になると地元産の粗悪品を使うようになる。なので、粗悪品の紙を使った浮世絵を現代見ると、当時売れた作品だということがわかる。
・下手くそな刷り師は紙をよじってしまう。
・アダチ版画では山桜の版木しか使わない。紙は人間国宝の越前和紙しか使わない。
・広重は効果的な赤の使い方をする。北斎はピンポイントの赤の使い方はしない。
・広重はグラデーションを多用する技巧派、北斎はグラディエーターは多用せず、構図も色もかっちりと決める傾向にある。
・彫り師を指名できたのは北斎だけと言われている。
・見当(紙を当てる目安の凸)は、版木に二カ所。右下と中央下。何故かというと木も紙も若干伸びるから、左右に見当をつけるとどちらに合わせていいかわからなくなり、ずれるのだそうです。

水で版木を湿らし、刷毛で伸ばし、水を含ませた筆で絵の具をつけて版木に載せ、別の刷毛でまた伸ばす。
パレットで混色するのではなく、版木の上でグラデーションを作るんですよね。
刷り上がった物を触らせてくれましたが、色を乗せるという感覚ではなく、「色を染める」という感覚に近いので、顔料は全く手に付きませんでした。

ちなみに、墨版以外の色版の彫り方ですが、
①まずは下絵を貼り付け、墨版(絵の輪郭となる部分)を彫る
②墨版を色版の版木分だけ刷る
③刷った墨版の紙を版木に貼り付け、出したい色の部分だけ凸にして残す
④③を繰り返す

今はコピーをとってるかもしれませんが、昔は下絵は墨版に貼り付けちゃうので、手元に残らないんですよね。 外国人の姿も多く、色がぱっと紙に現れるたびに感嘆の声。いつか買いたいです…。

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↑結構重労働です
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↑色がさっと現れる瞬間は目が醒めるよう
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↑見当に紙を当てています
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↑赤富士の刷り上がりの行程を示す展示
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↑この日の版木は5枚でした。裏表使っています
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↑コンパクトな作業台

■志むら

●HP・・・https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130502/13003855/

肌寒かったので、小倉あんのパンケーキを。 バターとあんこがあうー。蜜が餡蜜と同じなのかな。
和菓子を食べてる感覚になりました。分厚い銅鑼焼きをばらして食べてるような(笑)
黒糖が効いてるのかな。凄くおいしかったです。
基本の甘味も食べたかったので、同伴者に寒天を一つもらいましたが、噛んだ瞬間少し歯ごたえのある寒天でした。

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