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吉例顔見世大歌舞伎・義経千本桜「川連法眼館」 [★伝統芸能]

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久しぶりの歌舞伎座。今は一幕ごとのチケット販売。
一幕見席が無くなったが、三階C席3000円は一幕見席より高いので少し損した気分。
コロナで場内飲食禁止のためか、一階の喫茶室「檜」が外から出入り自由に。そのかわり、喫茶室から劇場内へは入れず一度外に出なければなりません。それを考えると土産物屋など自由に出入りできるので、買い物だけしたい場合便利になったと言えます。

成長した染五郎! 背はすっかり伸びました。 貫禄や渋みはありませんが、伸び伸びとした若々しい義経。
獅童は激しく元気いっぱいな狐さん。放射状に伸びていくような、溌剌とした声が響く。

帰りはシチュー専門店【エルベ】で食事。連れの友人が「なんで千本桜なのに桜がでてこないの?」とこれまたわかりやすい素人的な発言。でも実は本当のところはわかってないの!と伝えるこちらの苦しさ。
卒塔婆説、吉野の桜説、でも私は源平合戦にまつわるこの時代に散っていった武者達の命が、桜の花が散ることに重ねているのではという説が一番好きだし、しっくりくる。そんなことを話しながら外にでると、既に店じまいの店多数。

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4/3 銀座AKOMEYA~四月大歌舞伎 [★伝統芸能]

■AKOMEYA

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観劇前にこちらのすてきな店でお昼御飯をいただきました。https://www.akomeya.jp/store_info/store/sginza/
土日のお昼のメニューは【季節の小鉢膳】のみです。潔いですね。30分くらい待ちましたが、その間に店内をウロウロ。どれもこれも食材を引き立てる美味しそうな調味料や、お菓子などが並びます。
二階はセンスのある食器や調理器具など。日本全国の後世に残したいセレクトショップという趣です。

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昼の膳は素敵な小鉢に8種類の惣菜が並びます。
個人的には「ホタルイカと季節野菜のフリット」が非常に好み。ホタルイカの苦みがほどよく中和されて。
また、「釜揚げしらすとうるいのポン酢ジュレ」も瑞々しい酸味にしらすがマッチ。
煮こごり程度の固さのジュレの口当たりが楽しい。
燻製ナッツだれの蒸し鶏と椎茸の白和え」も捨てがたい。というか、全部酒のつまみか!とお酒が飲みたくて吠えたくなりました。
■四月大歌舞伎
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/610

源平布引滝
一、実盛物語(さねもりものがたり)
斎藤実盛 仁左衛門
小万 孝太郎
葵御前 米吉
瀬尾十郎 歌六

二、猿翁十種の内 黒塚
老女岩手実は安達原の鬼女 猿之助
山伏大和坊 種之助
山伏讃岐坊 鷹之資
強力太郎吾 猿弥
阿闍梨祐慶 錦之助

三、二人夕霧(ににんゆうぎり)傾城買指南所 
藤屋伊左衛門 鴈治郎
後の夕霧 孝太郎
先の夕霧 魁春
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●実盛物語
歌舞伎初観劇の友人を連れて行きました。初観劇にはちょっと渋すぎたかな・・・と思った夜の部。本当は昼の部の人間国宝そろい踏みを見せた方がよいと思いましたが、どうも【鈴ヶ森】に飽きてしまって(笑)。先月たまたま「安達ヶ原の鬼婆」伝説を調べていたこともあって、黒塚が演じられると知り完全に自分本位で選んでしまいました。
全て初観賞の演目なので私もイヤホンガイドを借りました。
『実盛物語』は、場面展開はないけれど一室を舞台に、複雑な人間関係が展開され、しかも明かされる事実により優位に立つ人間がめまぐるしく変わるので、イヤホンガイドがあって本当によかった。
※詳しい解説はこちらのサイトが非常に便利です。
主役の実盛は平家方だけど、敵の源氏のことも敵ながらあっぱれと思っている人物で、何かと源氏の人間を殺したくはない葛藤を抱えています。 この3人の心中や本音がだんだん明らかにされていき、観客も引き込まれていきます。 実盛が源氏の家宝の『白旗』を持つ小万の腕を切り落とさねばならなかった理由を吐露する場面では、さすが仁左衛門、涙を誘いました。
女の腕という恐ろしい物体の謎解き、生まれる子どもを殺しに来た敵に子どもを渡したくない源氏方のスリリングな駆け引き、 小万の幼い息子が実盛にくってかかる心ほどける場面など、様々な要素が盛り込まれた芝居でした。源平物は「武士道」のなんたるかを表現するいいお話が多いですね。 生来のふくよかさに品が備わり、高貴さをまとい始めた米吉も素敵でした。
●黒塚
「安達ヶ原の鬼」の伝説は、とてつもない悲劇として私の心に残っています。 岩手という乳母が重病の姫様のために「妊婦の生き肝」を求め安達ヶ原に居を構えて十数年。やっと妊婦が一晩の宿を求めに岩手の小屋にやってきました。 喜び勇んで妊婦を殺した岩手、しかしその娘は実は岩手が治したいと思っていたまさにその姫だった。岩手は悲しみの余り狂い、そのまま人間を喰らう鬼になった・ ・・。 とまあ、いかにも日本らしい湿りけのある暗いお話です。 この岩手を成仏させるのが阿闍梨祐慶。モデルになったのは東光坊祐慶という歴史上実在した僧侶です。 ※詳しくはこちらの記事で。

黒塚は阿闍梨が成敗したときに供養碑として建てたと思いましたが、舞台上では岩手の住まう岩屋になっています。 物語は岩手が「誰でも成仏できる」という阿闍梨の言葉を信じ、鬼でも成仏できると喜ぶ悲しい様子と、 彼らが岩手を鬼と知り成敗しようとするスリリングさが対比されています。
舞踊なので所作で心情を伝える場面が多く。月明かりの青白い光の中で踊る岩手の姿が神秘的でした。老婆として腰を曲げたままの舞踊、 とんでもなくしんどいと思われます・・・。
意外にも初歌舞伎の友人はこの二幕目が一番好きだと言ってました。二番目に実盛、そして三番目に次の夕霧。

●二人夕霧
二代目夕霧とおままごとのような夫婦生活を送っている伊左衛門。そこへ死んだと聞かされていた初代夕霧が現れ・・・という、現代のお昼どきに流れそうなホームコメディに、そのまま転化できそうなお話。
太夫姿で米を研いだあげく、うまくとげずに水路に米がざぁざぁ流れちゃったり、やはり太夫姿で蛸を買いに行ったりと、 二代目夕霧ちゃんがコメディエンヌっぷりが見事です。
伊左衛門も「遊郭での振る舞い方指南」なんていう塾を開いて、現代なら「女の口説きかた」と同列の詐欺まがいなんだけど、それなのに本人は至って真面目なのでそれがおかしい。初代夕霧の恋文を後生大事に紙子の着物にして身につけていたり、二代目夕霧の失敗にも絶対怒らないし、憎めない優男ぶりが際立つ。滑稽ながらも上品さは失わない按配が、俳優の腕の見せ所なのかな。

二人の夕霧を取りなした大家の鶴の一個で場が収まっちゃうし、生徒だと思っていた野郎どもは実は実家の奉公人で、心配で様子を探っていただけたったし、実家からの勘当は解けて小判の大盤振る舞いで幕引きだし、これでもかというご都合主義的ハッピーエンド。ハリウッド映画の十八番じゃないね。本家は歌舞伎だ!
それにしても「そうだ、仲直りに3人でお伊勢参りしよう!」となる展開が唐突でびっくりしました。当時の人々にとっては特に驚きじゃなかったんでしょうね。「 一生に一度」の贅沢として伊勢が当たり前だったし、しかも伊勢参りといえば、ほぼ無料で道中助けがあったわけだし。急転直下その後は金持ちに戻るわけだけど、本当に伊勢詣りに行ったのかが気になるダンダラでした。
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いやー、それにしてもアコメヤで遅いランチをしたにも関わらず、木挽町広場で桜餅を食べ、幕の内弁当に『弁松』 の赤飯10号をぺろりとたいらげた友人の胃袋には驚き。
観劇後は座りっぱなしだった運動に、八重洲の桜通へ歩き、スタバの屋外席で桜を眺めながら珈琲を飲みました。いい夜でした。

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通し狂言 増補双級巴《ぞうほふたつどもえ》 [★伝統芸能]

国立劇場…https://www.ntj.jac.go.jp/sp/schedule/kokuritsu_l/2018/30121.html?lan=j

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↑五右衛門バージョンのくろごちゃん

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↑宙乗りの引っ込みですDSC_0018-1024x768.JPG

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柿の葉寿司と茶巾寿司を頂きました


中村吉衛門の宙乗り!石川五右衛門!ということで行ってきました。

粗筋はサイトを観た方が早いとは思いますが、大まかにいうと二部構成です。五右衛門の夢と現実が交錯します。

かつて武家の女を介抱しようとして金を奪って殺してしまった次左衛門、その拍子に子供が生まれます。それが五右衛門。次左衛門は五右衛門を育てますが、若いときに家を出てしまいます。

数十年ぶりに故郷に戻ってきた五右衛門。そこでは妹が家計の苦しさから、身売りすることになっていました。大金を遊郭の女衒へポン、と出す五右衛門。

五右衛門が天下の大悪党になったと知って、自害しようとする父親。 身を挺して止めようとした娘を誤って刺し殺してしまいます。そこで、五右衛門は大名の落とし胤だったと育ての父親から知らされます。


二幕目

五右衛門は公家の呉羽中納言を襲い衣装を奪うと彼に化け、足利将軍家に乗り込みます。そこに現れたのが此下久吉(豊臣秀吉)。

実は久吉は五右衛門の幼馴染で、勅使を五右衛門だと看破します。今は別々の道を歩む二人は昔に戻りくつろいで話をしますが、そのうち五右衛門は捕り物にあってしまいます。 五右衛門を追ってきた養父がとっつかまり、彼が入った葛籠をしょって逃げる場面が宙乗り。

とても巨大な葛籠だなぁ、これ背負えるの?と思ったら葛籠が分解され中から吉右衛門が出てくるという趣向にはビックリ。ここまでが夢です。


三幕目二場

夢から覚めた五右衛門と久吉の下り「楼門五山桐(金門五三桐)」のパロディ。本物が煌びやかな山門なのに比べて、こちらの五右衛門は長屋の二階、縦縞の木綿着物に袖を通した庶民風。

束を投げる五右衛門、柄杓でそれを受ける久吉の場面がありますが、そのからくりがわかりました。 飛び出しナイフのように、本体が柄の中に収納されてるんですね。

自分の連れ子と後妻の仲が険悪で、悩む五右衛門。でも後妻はあえて辛く当たっていたのでしたというお話し。継母の親が金をせびりにきますが、五右衛門の子供は五右衛門の留守中に間男がやってきたと勘違いして、継母を殺めてしまいます。

夢の中の不幸な事故と同じようなことが現実に起きてしまうというところに、悪行を働いてきた五右衛門の業が見え隠れしている気がしました。

大名の落とし胤という設定自体を夢だったとしたのは、その方がヒロイズムのないただの人間としての五右衛門の苦悩を浮き彫りにしたのかしら、と。

大捕り物の段で、五右衛門が息子の襟首を口で噛んで立たせる場面は、台詞がよくわからなかったのですが、最後までしっかり生きろと言ってるようで泣けてきました。

ところで、遊女と懇ろにしている足利義輝の屋敷に押し入ってきた正妻は、何の目的で来たのでしょうね? 必要性のない場面のように感じたのですが、打ち掛けを取り替えっこする正妻と遊女のなり代わりを五右衛門は気がつかず、久吉は気がつくところから、上流階級と下流の人間の格の違いを表したかったのかな…などと思いました。全く違っていたら恥ずかしい限りです。


今回はどぶ側だったので、花道でじっくりと吉右衛門の表情を堪能。また、脇役の演じ手の方の表情を意識してみてました。吉右衛門の演技をちらっと見る人、眼前から目を逸らさず 微動だにしない人、客席と交互に身ゆる人、それぞれです。幕間35と25の二回しかないからちょっと疲れましたが、満足。

米吉ちゃんのでっぷりした腰つきに妙齢の女の徒(アダ)を感じました…。瑞々しい姫ごから色気を伴い始めてますな…。もしかしたら、腰回りにはあんこを入れてるかもしれませんが。


●洋食うちだ

夕食は、前から行きたかった老舗の洋食屋に立ちよりました。もう50年前から営業しているみたいです。ハンバーグとポテトサラダを注文。ポテトサラダはあっさり塩味、ハンバーグはトマトの酸味が利いて肉汁たっぷりの肉厚、挽き肉の実が市販より粗い気がしました。肉の触感も楽しみました。

洋食屋にいくと胃もたれをすることもあるのですが、不思議なほど爽やかでした。


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