SSブログ

「北斎 百鬼見参」展/すみだ北斎美術館 [★和の催し]



8月のことですが、すみだ北斎美術館にて「鬼」に着目した展覧会を鑑賞。
鬼になった人間、鬼退治にまつわる武勇伝、コミカルな鬼の北斎漫画まであらゆる鬼が集結。
以前、鬼について記事を書いたことがあります。

最初に鬼が登場したのは『日本書紀』です。
鬼は「この世の外から禍(災い)をもたらすモノ」とされ、「オニ」ではなく「モノ」と呼ばれており、その姿は大きな笠をかぶった人のような姿でした。
物の怪(もののけ)という言葉もありますね。
中国では悪霊や幽霊のことを「鬼」(gui、クイ)といい、古来、日本でも同じように捉えていたと思われます。現在に定着した「角が生え赤い体」の鬼は、実は儺(オニヤライ)という儀式(現在の節分の儀式に該当)で目に見えぬ鬼を追い払う「方相氏」という存在の姿なのですが、いつのまにか鬼を追い払う側の姿が鬼として定着してしまいました。


疫鬼を追い払うための儀式。中国の風習が日本に伝わったもので、中国では三月・八月・一二月の三回行なったという。日本では慶雲三年(七〇六)一二月初めて行なわれた。(コトバンクより)


いずれにしても古来から日本人は異世界の存在を指して、鬼(モノ)とよんでいた節があります。
北斎という天才のフィルターを通して、いかに鬼が変幻自在の存在となっていったのか、日本の風俗をひもとく展示会でもありました。

P_20220821_125044.jpg
P_20220821_125105.jpg
P_20220821_140101.jpg
P_20220821_145715.jpg
300px-Tsuina_of_Yoshida_shrine.jpg
吉田神社での追儺 『都年中行事画帖』(1928年)より

P_20220821_152406.jpg

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー