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仏教的イコン、鳳凰と獅子 [★和の催し]

鳳凰と獅子展

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もう終了してしまったけど、7/21にこの展覧会に行ってきました。
このタイトルで、これだけよく集めたなー。
と思ったんだけど、よく考えてみたらこの二頭?(二匹?)は、確かに日本の建築美術しかり、仏教美術しかり、色んなところに登場しますね。

どこにも書いてないけど、中国で生み出された「鳳凰」は、孔雀をルーツにしていると思う、絶対w。
もうビジュアルがそうだもの。若干、頭部などに尾長鳥も取り入れてるかもしれない。
「獅子」はライオンが元で、古くはエジプトのスフィンクスから「護るもの」として存在してきたけど、中国大陸を渡ってきた間に、どうやらおかしなことになったらしい(笑)。
とりわけ日本では、猪や豚が混じったような描写の獅子もチラホラ。

獅子一つで世相が反映されるから面白い。室町、鎌倉時代の獅子はあばらも浮き立ち、骨ばって形相も険しい。
江戸も中期~後期になると、どことなく愛嬌のある顔立ちになって丸っこくなる。魔除けというより、誰にでもくっついていってしまいそうだ。
それは時代の違う狩野派の、【唐獅子図屏風】という作品に顕著に現れている。
安土桃山時代に狩野永徳が描いた獅子は「重さ」があり、霧が晴れて崖の前にいる獅子が垣間見えた、という構図。
上記作品のツイとして狩野常信が江戸時代に描いた獅子は「軽やか」で、空中を駆けまわっている雰囲気。
それでいて基本的なタッチは似ているから凄い。

前から「面白いなぁ」、と思うのは、いつから獅子が仏教の守護神になってしまったかってこと。
文殊菩薩の眷属という設定になっているのも知ってるのだが・・・。
中国の風水やら密教の曼陀羅思想やら、なんやかやと沢山神様が増えたゃったけど、本来は仏陀の教えだけがあったはず。なのに、気がついてみたら大会社の組織図よろしく、仏教にまつわる神は複雑に。
経典を読んで聞かせるより、功徳を人物化してわかり易くしなければ布教しずらかったという側面も、勿論拍車をかけたとは思うんだけど。

鳳凰は神輿によく使われますよね。
ちなみに「玄武・青龍・朱雀・白虎」の方向を司る四霊獣の中の朱雀は鳳凰の異名だが、その四霊獣とは別に、「亀、、麒麟」と共に『四神』とも括られるらしい。複雑ですね。

鳳凰は架空の存在ですが、獅子はライオンを元にしているわけだから、本物の「獅子」の情報が伝えられると写実的になっていきます。

>>HPから抜粋
ライオンと獅子 蘭学の時代から近代へ・・・江戸時代も半ばとなり18世紀に入ると、蘭学の興隆とともに実物のライオンに関する情報も日本にもたらされま した。ヨンストン『動物図譜』におけるライオンの図は、小田野直武(1749~1780)などによって洋風画の題材となり、幕末期に至るまで、唐獅子とラ イオンが人々の暮らしの中で共存する形が生まれたのです。

この時代の作品はまあ、「ライオンもどき」が中国や日本で発生しますw
この辺のくだりは、アルブレヒト・デューラーが描いた犀に似ているものがあります。実際にアフリカで犀を見てきた人から詳細を聞き取り、半ば想像で書き上げたというもの(にしては、皮膚のうろこ以外はそっくり!)。
それがしばらくは「本物の犀」として、ヨーロッパでは図鑑にも載ってしまったわけだから。
画家にとって、未知の物ほど(それが霊獣とくれば尚更)インスピレーションを掻き立てる物はなかったのかもしれませんね。
その他、「唐獅子に牡丹」の作品を紹介するコーナーも。
しかし、何故その組み合わせがテッパンになったのかは、はっきりとは書いておらず。
またしても謎が増えてしまった。んー、あらゆる意味でもっともっと勉強したくなる、面白い展覧会でした。


■京はしや

ミッドタウンにある「京はしや」でランチを。
「京のおばんざいセット」、すごくお得です。別腹でお茶の寒天入り餡みつを。

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↑地下のフードコート内にある餅のようなオブジェ


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