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サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品 [★和の催し]

https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2024_2/index.html
名品なのか、迷品なのか。ときに芸術においては絶対的美品とはいえない「ただ古いから価値がついたのでは?」という物も数多くありますよね。

今回の展覧会、迷品というタイトルに反して、私の感触ではかなり「名品」しかないように見受けられました。
ただ蹴鞠台など「時間とお金がたっぷり注ぎ込まれた」物は一般人には「無用の長物」なのかもしれません。
人間の行いは、他の生物にとっては「無駄」なのでしょう。
しかしそここそ人間を人間たらしめている行為なのだとつくづく思います。

■■■■■メモ■■■■■■
●縞模様の起源
さて、今回の展覧会で、「縞模様」の起源がポリネシア由来であり、南蛮渡来だということを初めて知りました。江戸時代、庶民に爆発的人気だった縞模様。自然発生的に日本から生まれたものではなく、流行りのきっかけがオランダ貿易などからというのが驚きです。

●エミール・ガレ
アールデコの芸術家、エミール・ガレのガラス細工も同時に展示。彼はジャポニズムに影響された作品をいくつも創作しています。「ペリカンとドラゴン」は浮世絵に影響された作品で対角線上にペリカンとドラゴンを配置(ペリカンはキリスト教において聖なるモチーフ)。幕末明治に花開いた日本のガラス細工も西洋からの影響を受け、海を越えて相互に技術を高め合ったことがわかります。

●東西の宝箱について
日本のいわゆる「玉手箱」は、重ねられるように蓋が平らなのが多いが、西洋のいわゆる宝箱は「蓋がアーチ」になっているね、と友人と疑問になりました。もちろん日本でも箱そのものが逸品の場合は重ねはしないでしょうが、その箱自体をまた桐箱などにいれて保存しますよね。住宅の面積と建築物の高さなどが関係しているのでしょうか。

●茶の湯の織部
茶の湯と言えば瀬戸物の灰釉平碗ですが、茶道のために作られた焼物ではなく、室町時代に量産された焼物だったそうです。この焼物にわびさびを感じた茶人たちが好んで使うようになったから、茶の湯の器の代名詞となったということです。

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国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱
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18世紀の鞠・鞠挟
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山伏がしょう背負子
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青磁なのに下地の青がまったくみえず上塗りされてしまった壺
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この青と背景の白を均一に塗るのが非常に難しいとのこと。展覧会の中でもかなりの逸品だそう
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薩摩が赤なのに対抗して作られた青と緑の焼物
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薩摩の青のギヤマン。蝙蝠と船のモチーフ
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タグ:芸術 伝統
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