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11月通し狂言 仮名手本忠臣蔵 第二部 [★伝統芸能]

●国立劇場…http://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html

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【道行旅路の花聟】
早野勘平 中 村 錦之助
鷺坂伴内 坂 東 亀三郎
腰元おかる 尾 上 菊之助

一幕目は舞踊。菊之助演じるおかるが差している銀細工のかんざしが、踊るたびにシャララ、シャララと鳴り美しい。
錦之助の鼻筋通ったすっきりとした勘平も颯爽として、うっとりしました。

【五段目】

早野勘平 尾 上 菊五郎
千崎弥五郎 河原崎 権十郎
斧定九郎 尾 上 松 緑

五段目はいよいよ勘平役に菊五郎。
彼と、3年前歌舞伎座で見たときも尾上松緑が斧定九郎を演じていた。同じ演者による同じ役柄を見るのは本当に楽しい。
そのときも一言しかない台詞「五十両」の腹から響く不穏な声色にぞくぞくしたっけ。
たったこれだけの役のために松緑を使うのは贅沢だなぁ。
3年前はギラギラした毒気が発散されていた雰囲気、今回は手練れの悪党という凄みを感じた。
台詞がひとつっきりしかないから、結構難しいと思うんだよね。

猪を撃ったと思った勘平が、人間が倒れていることに驚いたときの息をのむ演技ですが、あれだけ大きな会場ではっとする呼吸が聞こえるというのも凄いなぁと毎度感心する。

【六段目】
早野勘平 尾 上 菊五郎
原郷右衛門 中 村 歌 六
勘平女房おかる 尾 上 菊之助
千崎弥五郎 河原崎 権十郎
判人源六 市 川 團 蔵
与市兵衛女房おかや 中 村 東 蔵
一文字屋お才 中 村 魁 春

そして菊五郎&菊之助の親子共演。蓑をを脱ぎ二本差しになったときの勘平のかっこよさったら。
そういえば去年は六段目から見たので、勘平の情けなさや哀れさばかり印象に残ってしまったが、一段目から観ると、気風がよく腕っ節の強い男前だったことがわかり、余計こんなところで朽ちてしまうのは惜しすぎると哀れさがひとしおになるのだった。
菊五郎の滑舌の良さというか台詞の聞き取りやすさは何だろう。上手いなぁ。
しかし身の潔白の証を立てて、判に名を連ねられたことに清々として果てる勘平、何度見ても胸が締め付けられる。

【七段目】
大星由良之助 中 村 吉右衛門
寺岡平右衛門 中 村 又 五 郎
赤垣源蔵 坂 東 亀 三 郎
矢間重太郎 坂 東 亀 寿
竹森喜多八 中 村 隼 人
鷺坂伴内 中 村 吉 之 丞
斧九太夫 嵐 橘 三 郎
大星力弥 中 村 種 之 助
遊女おかる 中 村 雀右衛門


播磨屋ファミリーのご登場。吉右衛門は出てくるだけでバッと押し出しがいい存在感は健在。
又五郎のときに「又播(またはり)」、吉右衛門のときに「大播磨(おおはりま)」と大向こうから声がかかっていた。
またはりって、あの有名なフランスの踊り子を連想しちゃうから、どうなんだろう?私でさえそう思うのだから、年配の観劇者のなかには「あんなストリッパーと一緒にすな」と思う人もいるかも?
大播磨は先代と一緒ですね。吉右衛門冥利に尽きるでしょうね。

雀右衛門のおかると又五郎の寺岡平右衛門は息ぴったり。ぴったりすぎてコメディになりそうだった。
それまで吉本新喜劇ばりの掛け合いをしていたと思ったら、「合点がいった!」といきなり斬りかかる兄。
驚き恐れ、なかなか近づかぬおかるに私も兄のように「ええーい!」と苛々してしまった(笑)

なんかこの段のおかる、デジャヴ…と思っていたら、三年前も雀右衛門さんが演じていた(笑)
雀右衛門さんは小柄なのに、おかるが大きく感じるんだよね。
遊女のお着物、大変に重たそうですが、そんな重さを感じさせず軽快に演じていました。
又五郎さんは伝法で意気軒昂な寺岡が似合う。

今回、時間割と演目の終了時間を意識してみていたら、どの幕も1分単位でずれがなくぴったりに終演!
この凄さ、大相撲中継でアナウンサーが6時ぴったり終わらせるのと同じくらいたまげる。プロの仕事は凄い。

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↑国立劇場で毎回違う弁当を食べるのが楽しみ。一階左手の「十一屋」のおにぎり弁当P1120317.jpg
おなじく茶巾弁当

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↑終演後、わきからとった定式幕と
柝を打つ場所

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